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"鉄の女"が見る、中国「国家安全法」の危うさ

更新日:2020年06月18日

「鉄の女」と言うフレーズを聞いた時、貴方が政界に詳しい人間であればそのニックネームが元英国首相のマーガレット・サッチャー氏を指していることであると直ぐに認識することでしょう。ところが香港にもこのサッチャー元英国首相と同じニックネームを持つ1人の女性がいます。

その女性の名は劉慧卿(エミリー・ラウ)。同氏は1984年、マーガレット・サッチャーが中国との間で英中共同宣言を締結した2日後の記者会見において、香港人代表として同国首相にケレン味のない質問をすると同時にその判断について懸念を伝えました。曰く、香港人5百万人を共産独裁国家に返還すると言うことは間違いなのではないか?と言うものです。


彼女の質問の根幹というのは(香港人からすると)自分たちが選んだ政府ではなく、且つ宗主国である英国からその国籍が与えられないことが、長い目で俯瞰した場合に極めて不利に働くのではないか?と言う恐れがあったからです。そしてその彼女の思っていたその恐れは、2020年に現実のものとなって訪れることになりました。それが全人代での「国家安全法」可決です。


勿論、当時のサッチャー首相は現在香港に訪れた危機的な状況を予見することなど出来ず、エミリーの質問を受けた際には、①(中国と)合意しなければ何の保証も優位性もないまま1997年には香港の92%は自動的に変換される、②中国は合意のもと香港の生活様式が継続されるのを望んでいる、③香港の人々は英中共同宣言を歓迎している、と言う3つの論点を示し自論を正当化するに留まりました。


では、あれから36年後の現在、エミリーが見るこの「国家安全法」と言うものはどのような影響を香港に齎らすことになると考えているのでしょうか?


彼女の論点(懸念点)と言うのは以下の形で纏められています。

1.今年の9月の立法会選挙で仮に民主派が過半数以上の議席を獲得したとしても、選任の権利が中国(北京)側にある為、選挙で勝ち上がる民主派議員を意図的に失格にしてしまう可能性がある

2.(それでも十分でなければ)北京は香港政府に立法会を解散させる可能性がある。つまり、立法会そのものを無くしてしまうことであり(これは実際、香港返還後の1997年に行われたように北京は暫定立法会を設置する可能性あり。また彼らが暫定立法会を設けた場合はここで選定されるメンバーは市民から選ばれるのではなく、北京が任命する)、根底から無効化する

3.国家安全法に問われた被告の裁判には中国人以外の判事には関わらせない可能性がある。換言すると、公平性に富んだ裁判が行われる可能性が極端に少なくなり、これは即ち香港人がそれまで享受して来た自由、人権、個人の安全、法の支配、司法の独立と言うものがこの瞬間から霧消することを意味する


こうした様々なことを理由とし、エミリー氏が見る「国家安全法」が与える香港への影響と言うものは、最早、香港単独での抵抗活動(例:デモ)などでは対抗出来ず、国際社会の協力なしでは立ち行かない段階まで引き上げられたとの認識を示しました。


「一国二制度」の存亡が掛かるこのテーマを勝利に導く為には、日本を含む国際社会が今迄以上に声を上げて中国(当局)がしてはならないことをはっきりと伝え、圧力を持って対抗して行くことが肝要、と言うのが彼女の所見と言うことなのです。

実際、米国の香港優遇措置見直しや、英国の(香港市民に対する)国籍認定の流れを鑑みると"中国包囲網"は徐々に手を打たれつつあるのも事実であり、6月22日には詳細が発表されるとの噂もある「国家安全法」の内容はその圧力を反映した形に傾く可能性も多分に残しています。何れにしましても、香港にとっての運命のカウントダウンが始まったと言うのは間違いではないことでしょう。

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"鉄の女"が見る、中国「国家安全法」の危うさ

「鉄の女」と言うフレーズを聞いた時、貴方が政界に詳しい人間であればそのニックネームが元英国首相のマーガレット・サッチャー氏を指していることであると直ぐに認識することでしょう。ところが香港にもこのサッチャー元英国首相と同じニックネームを持つ1人の女性がいます。

その女性の名は劉慧卿(エミリー・ラウ)。同氏は1984年、マーガレット・サッチャーが中国との間で英中共同宣言を締結した2日後の記者会見において、香港人代表として同国首相にケレン味のない質問をすると同時にその判断について懸念を伝えました。曰く、香港人5百万人を共産独裁国家に返還すると言うことは間違いなのではないか?と言うものです。


彼女の質問の根幹というのは(香港人からすると)自分たちが選んだ政府ではなく、且つ宗主国である英国からその国籍が与えられないことが、長い目で俯瞰した場合に極めて不利に働くのではないか?と言う恐れがあったからです。そしてその彼女の思っていたその恐れは、2020年に現実のものとなって訪れることになりました。それが全人代での「国家安全法」可決です。


勿論、当時のサッチャー首相は現在香港に訪れた危機的な状況を予見することなど出来ず、エミリーの質問を受けた際には、①(中国と)合意しなければ何の保証も優位性もないまま1997年には香港の92%は自動的に変換される、②中国は合意のもと香港の生活様式が継続されるのを望んでいる、③香港の人々は英中共同宣言を歓迎している、と言う3つの論点を示し自論を正当化するに留まりました。


では、あれから36年後の現在、エミリーが見るこの「国家安全法」と言うものはどのような影響を香港に齎らすことになると考えているのでしょうか?


彼女の論点(懸念点)と言うのは以下の形で纏められています。

1.今年の9月の立法会選挙で仮に民主派が過半数以上の議席を獲得したとしても、選任の権利が中国(北京)側にある為、選挙で勝ち上がる民主派議員を意図的に失格にしてしまう可能性がある

2.(それでも十分でなければ)北京は香港政府に立法会を解散させる可能性がある。つまり、立法会そのものを無くしてしまうことであり(これは実際、香港返還後の1997年に行われたように北京は暫定立法会を設置する可能性あり。また彼らが暫定立法会を設けた場合はここで選定されるメンバーは市民から選ばれるのではなく、北京が任命する)、根底から無効化する

3.国家安全法に問われた被告の裁判には中国人以外の判事には関わらせない可能性がある。換言すると、公平性に富んだ裁判が行われる可能性が極端に少なくなり、これは即ち香港人がそれまで享受して来た自由、人権、個人の安全、法の支配、司法の独立と言うものがこの瞬間から霧消することを意味する


こうした様々なことを理由とし、エミリー氏が見る「国家安全法」が与える香港への影響と言うものは、最早、香港単独での抵抗活動(例:デモ)などでは対抗出来ず、国際社会の協力なしでは立ち行かない段階まで引き上げられたとの認識を示しました。


「一国二制度」の存亡が掛かるこのテーマを勝利に導く為には、日本を含む国際社会が今迄以上に声を上げて中国(当局)がしてはならないことをはっきりと伝え、圧力を持って対抗して行くことが肝要、と言うのが彼女の所見と言うことなのです。

実際、米国の香港優遇措置見直しや、英国の(香港市民に対する)国籍認定の流れを鑑みると"中国包囲網"は徐々に手を打たれつつあるのも事実であり、6月22日には詳細が発表されるとの噂もある「国家安全法」の内容はその圧力を反映した形に傾く可能性も多分に残しています。何れにしましても、香港にとっての運命のカウントダウンが始まったと言うのは間違いではないことでしょう。

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