1. TOP »
  2. 法人設立お役立ち情報 »
  3. 香港 »
  4. 香港法人

香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

香港 > 法人

『中国型』金融センターとなる香港(?)の中での在港企業の舵取りとは?

更新日:2020年07月22日

国家安全法を巡る中国の強硬なスタンスは大方の予想通り微動だにもしないものとなりました。彼らのやり方と言うのは(尖閣諸島の一件なども含めて)一様にして、最初の段階で"既成事実"を作る為に勢力拡大を行う大袈裟な介入行為=ジェスチャーを行い(当然この段階では各国からその行為について大きな非難を浴びますが文字通り馬耳東風です)、ある臨界点に達した途端に踵を返してあたかも自分たちが"被害者"であると言うロジックを構築し自分達の行為を正当化します。


香港を巡るこの1年のやり取りと言うのもまさにこのやり方でした。北京ではこの「一国二制度」に対する従来の意味合いに対するリスペクトは無く、今ではこれを巡る解釈について(あくまで中国側の解釈として)英国と締結したのだと言う理屈を堂々と吹聴します。


事実、最初の段階では特定の外国勢力に"洗脳された"一部の香港同志を取り締ると言う名目で「逃亡犯条例」に関する一部改正を試みました。香港市民からするとこれは青天の霹靂です。そしてこれが上手く行かないとなると、今度はコロナ禍の状況を利用することで香港基本法を飲み込む形の法律=国家安全法可決を強引に通したのです。

勿論、この法律は建て付け上、あくまで国家の「治安維持」を目的としている為、印象としては政治分野のみのアクションと言えます。実際のところ、こと経済行為に関して抵触する下りは無くその点から言うと香港はこれからも従来の通り法人税率(16.5%)の堅持や中国との経済緊密化協定(CEPA)の維持などと言う諸々の条件を保つことは出来ると考えても良さそうです。

合理的に考えて、香港は外国資本が自由に行き来出来る"ループホール"の役割を中国で唯一備わる都市であり、これをむざむざ放り捨てる愚挙を中国が考えているとは思えないと語る経済識者も存在する訳ですから、ここに拠点を構える企業の判断も撤退だけが有力な将来の選択肢として残ると考えるのは些か早計と言うものでしょう。


では現実的な在港企業の舵取りというのは一体どのようなものなのでしょうか?それはひょっとしたら中国が描く「"中国型金融センター"としての香港」に如何に上手く同調して行くのか?と言うことに集約されるかも知れません。

中国には香港の向こうを張るほどの大都市(例:上海)がありますが、厳密な意味ではあくまでも中国国内の大都市と言う位置付けだけであり、外貨持出し等々の規制と言う論点では香港の足もとにすら及びません。では華南エリアの一角である横琴地区はどうかと言うと、香港に隣接しているとは言え、自由市場の経験値で遠く及ばないと言うのもまた事実です。


つまり、相対的に考えると北京の"取締まり"に脅威を感じる層と言うのは香港人自身と(香港人が思う)権利の剥奪から来る感情的なものが殆どであり、経済行為について負のインパクトが発生すると言うことと必ずしもイコールでは無いと言うことを見極める必要があります。

又、少なくともこの15年程、香港の市場が躍進した真の原動力と言うものは中国の経済発展を背景に齎されたのは事実であり、今後もこの動きが加速されることを考えるとこの地域における勝ち組と負け組の差は一層広がることとなるのは必至でしょう。


中国が敢えてタッチをしなかった香港の経済システム...。この「行為」をどのように読み解くのかが、当地で奮闘する企業の躍進の「鍵」となる筈です。

▲ページのTOPへ

スマホサイトを表示