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日本と海外の税法適用に関する考え方について−1

更新日:2020年11月05日

「国際税務」というと、一般的或いは国内税理士にとっても漠然としていて良く理解出来ないというのが通説です。勿論、「国際税務」と言ったところで各国が同じ税法を使用している訳ではなく、むしろ税法自体は国ごとに独自のものが定められていると言うのが当たり前ですが、意外とこの前提をすっ飛ばして考えている層も存在して居たりします。


一例を挙げると、例えば日本企業の場合は先ず第一に日本の税法(例:法人税、所得税、消費税、租税特別措置法等)を理解して置く必要がありますが、これが諸外国、例えば香港に進出するとなると、その次の段階として香港の税法を考えなくてはならないと言うのは当然の事となります。


よって、改めて「国際税務について考える」となるような場合は、実質的には日本の税法と海外の税法を総合的な見地から研究し、その上で対策を検討するというスタンスが肝要となるのです。


では、上記のように日本と香港で法人を持つと言うことはどう言うことに繋がって来るのでしょうか?


例えば、日本の税法と香港の税法が別々に存在すると言うことは、概念としては簡単に理解できるとは言え、実務的な見地からは意外と複雑な問題を引き起こす事がありますので安心は禁物です。


仮に香港だけでなく、それ以外、例えば中国にも子会社等が存在するとした場合、どの国の税法に基づいて課税関係を考えれば良いのでしょうか?


結論を言えば本社(親会社)が所在する日本の税法と香港の税法、そして中国の税法を全て各々の国(地域)の専門家に確認した上で検討と決断を行わなくてはならないと言う事です。


では具体的にどうなるのか?と言う事を、ビジネスの各フェーズ(段階)に応じて考えて見ます。


具体例(1)製品を輸出するケース

製品を単純に海外に輸出する際の税法と言うのはどうなるでしょうか?こうした場合は貿易のことなど色々な事を考えなければなりませんが、こと税務に関して言うと海外の税法をあまり意識する必要はありません。何故なら製品を輸出し(国内発信)、その代金を回収(国内に着金)となるので、外国の顧客を相手にするとは言え、あくまでお金が着地するのは国内となる為、売り手も買い手も在国内と言う100%国内ビジネスと同列になります。従って国際税務の絡む余地は最小と言うことになります。


具体例(2)海外(香港)企業とライセンス契約を締結するようなケース
次に国内企業が所有している特許について"ライセンス契約を締結したい"と申し出て来る香港の企業があった場合はどうなるのかを検証して見ましょう。
"ライセンス契約"と言うのは、所謂、国内企業の持つ特許に関するロイヤルティ(=特許権の使用料)を海外側企業が受け取る事を意味します。


前述の段階で香港のような海外での企業が絡む場合の考え方の手順として日本の税法を先ず検討し、その後、香港側の税法を検討する事になると申し上げましたがその順番に則って以下を考察して見ると以下の通りとなります。


−日本の税法ではどうなるのか?
ロイヤルティの受け取りが国内企業からの受け取りか、海外企業からの受け取りかを問わないようなケースの場合は日本の税法(法人税法など)に基づいて課税される事になります。つまり、ロイヤルティを受け取った日本企業はその額を課税所得に含まれる事となり、約30%と言う日本の実効税率で通常通りの法人税等が課せられると言う解釈です。


>香港での税法ではどうなるのか?
香港にある企業からロイヤルティ受け取りをする場合、日本の税法の他に、香港の税法に基づく課税を考えを行わなくてはなりません。香港でロイヤルティに関する税率と言うのが4.95%ほど掛かるので、この部分については予め理解して置く事が重要です。


次に日本と香港が締結している「租税条約」が存在しているので、そこに関する部分を見て行く必要がありますが、ここからについては次稿にて触れて行きます。

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