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日本から発信となる、香港ドキュメンタリー

更新日:2021年05月06日

現在の香港に起こっていることと言うのは、過去において歴史的な出来事をオーバーラップさせます。これは香港という場を舞台とした中国とイギリス&アメリカなど西洋国家達のイデオロギーの闘いと言っても良いでしょう。そんな中で日本は、国としての立場を(相変わらず)ハッキリと打ち出さないスタンスを取り続けていますが、この程、「民間」というレベルにおいては興味深い動きが出て参りました。


2014年の大規模デモ「雨傘運動」以降、民主化運動が続く香港社会を描く香港・日本合作ドキュメンタリー映画「BlueIsland憂鬱之島」の製作関係者が今年の4月13日、香港・日本間をリモートで繋ぐことで記者会見を開き、香港から製作代表者であるピーター・ヤム氏、そして日本側は今回のドキュメンタリー映画のプロデューサーを務めている配給会社「大秦」の小林三四郎氏(配給会社「大秦」社長)が参加、白熱した内容のものとなりました。


既に様々なところで報道されているように、昨年7月1日に施行された「国家安全維持法」(以下、「国安法」)は外国勢力と結託して国家安全に危害を加えた罪と言う罪状を課せられると言うものになっている為、民主化に影響力を持つと考えられていた地元香港紙の「アップル・デイリー」創業者である黎智英(ジミー・ライ)氏などは、この"国安法違反"と言うことで起訴されているような現状です。


小林氏は、「現在の香港では、些細な言動で"自由"を封じられているような状況が起こりつつあり、公の部分が以前のそれと比較すると明らかに"狭められている"のが現状となっている。それゆえ「国安法」の中に於いては外国勢力との結託と言うものがあり、これを断行すると、香港と日本で映画を制作すること自体が香港側の製作者に対してリスクが及ぶ」と強調しました。


また、「私たちが気をつけているのは日本で共同制作することで、香港で制作する仲間が困難な状況に陥るのは絶対に避けたいと言うこと。つまり、彼らの安全を担保しながら、必ず完成させたい」と語りました。


このドキュメンタリー、「BlueIsland憂鬱之島」のあらすじは、1960〜80年代の香港で"自由"を求め民衆達と、今、民主化運動を起こす若者達の姿をドキュメンタリーとドラマを重ねて描いて行くものとのこと。


2017年に製作を開始するも、その後「逃亡犯条例」をきっかけに再び大規模な民主化デモが勃発したり、立法会議員選挙で候補者の出馬資格や当選者の議員資格が香港独立支持などを理由に取り消されるなどの様々な困難が発生したこともあり、製作は難航。更には製作費が(予定していた)予算の10%にも満たないなどの追い討ちを掛ける様な厳しい状況の中、そのタイミングで小林氏率いる配給会社と日本の有志である馬奈木厳太郎弁護士が共同製作者として参画することでプロジェクト全体が前に進む形となったようです。


現在は山形で開催される「山形国際ドキュメンタリー映画祭」への出品を目標としており、東京でも渋谷ユーロスペースでの上映が内定をしているなど、ポジティブな動きも表面化して来ました。


民間有志が動く香港・日本の共同プロジェクト、「BlueIsland憂鬱之島」。香港に由縁のある方々にとっては"必見の映画"となることを、今は祈念しましょう。

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