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【コーヒーブレイク】海外駐在者の課税関係について注意しなくてはならない6つの項目とは?

事例:製造業を営む日本の中小企業A社は海外に生産拠点を移すために製造子会社の設立を決定し、準備に勤しんでいます。現地法人を設立後は自社の従業員や役員を派遣する予定とのことですがこのような海外勤務者について、通常の国内勤務者の場合との税法上の違いはどうなのでしょうか?

事例に対する考察:
(1)概要
日本国内で働く従業員の場合、税金は毎月の給料から天引きされ、年末には年末調整を行い、人によっては翌年の3月15日までに確定申告をして税金を納めると言うのが一般的です。ただし、従業員なら誰もがこのような取り扱いなるわけではなく、税務上一定の条件が整った結果により同じような取り扱いになっているに過ぎません。

例えば従業員が国境を越えて海外で働く場合、これもまた国際取引に該当するため、日本の税法だけではなく、勤務地国の税法や日本と勤務地国との租税条約を横断的に検討しなくてはなりません。

そして検討の結果、税金を納める国、税金を納める方法など、様々な面で国内勤務者と取り扱いが異なることが想定されて来る訳です。


(2)海外勤務者の事実関係・課税関係の整理
国際税務については、先ず取引の内容(①誰が、②どこで、③どのように取引をして、④どのような利益を得ているか?)を正確に把握しそれをもとに日本及び勤務地国での課税関係を整理することが必要です。ただし、海外勤務者等の個人の場合は、検討に際してより細かい取扱いが(実務上)追加されて確認すべき事項として下記の項目が挙げられます。

イ)海外勤務者の居住地国
先ず、海外勤務者の居住地国が日本なのか、海外の勤務地国なのかを確認する必要があります。国内税法では、個人の納税義務者を「居住者」と「非居住者」に分け、居住者を更に「永住者」と「非永住者」に分けて考えるのが基本線です。

ロ)給与所得の源泉地国
海外勤務により得た給与等の所得源泉地を確認する必要があります。日本の税法上では、従業員と役員では所得源泉地の考え方が異なるため、注意が必要です。

ハ)給与支給方法の確認
従業員が海外勤務をする一般的なケースとして、(上記事例の通り)海外の子会社等に出向するケースが想定されます。このような場合、給与の支給方法として、出向元である日本の親会社から支給する方法や出向先である海外子会社等から支給する方法、さらに両方から支給する方法など、様々な方法が考えられます。これらは、どちらの国にどのように税金を納めるのか?と言う問題と密接に関係するため正しい把握が必要となります。

ニ)課税所得の範囲の検討
日本の税法上、個人に対する課税所得の範囲は上記①の「居住者」、「非居住者」、「非永住者」の区分けに応じて異なります。一方、勤務地国における課税所得の範囲は現地税法により決定されることは言うまでもありません。海外勤務者の場合は、日本と勤務地国双方の税法に定める課税所得の範囲を確認する必要があります。

ホ)租税条約の確認
海外勤務者の居住地国と所得源泉地国が異なる場合、租税条約によって所得源泉地国の課税の範囲にどのような制限が掛かるのかを確認する必要があります。この点では当Blogでも度々登場している、いわゆる"183日ルール"がその代表と言えるかも知れません。

ヘ)納税方法の確認
日本の税法上、税金を納める方法としては、「源泉徴収」と「確定申告」と大きく2つに分かれています。他方、勤務地国における納税方法は現地で法律により決められています。日本または海外(あるいは双方)に税金を納める必要がある場合、一体どのような方法で収めるのか、上記(ハ)の給与支給方法に応じて取り扱いも変わって来たりする点がありますので注意が必要となるでしょう(尚、本稿では海外勤務者が独自に有する恒久的施設は無いものとし、説明は割愛させていただきます)。


上記の項目は海外展開を計画する企業にとっては必須のものであり、今後、アフターコロナの段階へと社会がステップを踏み始めた際、これらの点を確りと押さえて事業進出の礎を創って行くことは結果的に企業の総合力をアップさせる為のアクションとなるのは間違いありません。

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