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香港法人・オフショア法人設立お役立ち情報

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"We are Hong Kong"。連呼し熱狂する観衆と五輪と政治の絡みについて

東京オリンピックが無事に終わりました。この大会には世界から多くの国々が参加していますが、その中には当然のことながら香港も含まれています。2019年から中国による政治的な圧力が強まるようになっていたことを考慮に入れると、今回のオリンピックにおいて果たして香港が自分達の「主権」を維持した形で参加が可能なのかどうか?が焦点ではありましたが、どうやらその心配は杞憂に終わったようです。


但しそれはあくまで単独での「参加」と言う立ち位置だけの話であり、国という括りにおいてはまたしても香港市民と政府(香港と中国)の認識の乖離は明らかであることが(香港人選手の)金メダル獲得を機に明らかになりました。


実際のところ、香港は中国に返還されて24年目を迎える訳ですが、返還後の最初のオリンピックとなった2000年のシドニーから今年の東京に至るまでの7大会において、中国とは別のポジション=「単独」としてオリンピック参加を成し遂げています。それは、「一国二制度」と言う特殊な制度の定義上では何ら問題ないとの認識があるからなのです。香港が英国から中国に復帰した年となる1997年、香港は"1つの国家として中国に統合される"条件と、"歴史的経緯など特殊な事情がある地域(この場合は香港)に対しては「高度な自治」が認められる方式を付与されて来ました。

つまり、構造上では香港オリンピック委員会が国際オリンピック委員会に承認されることで(香港の主権は中国に属しつつも)その自治権面での独立性については自身を主張できる形となったのです。


返還後から現在に至る期間の中で香港が獲得したメダル数というのは2004年のアテネで銀メダルがひとつ、また2012年のロンドンで銅メダルがひとつの2つであり、仮に1997年以前の獲得メダルを入れたとしても(返還前年の1年前に開催された)96年のアトランタでの金メダルがひとつと合計で3つだけしかありません。ただ、まだこれらの時代に関しては、返還の既定路線化の状況であったアトランタであっても平和的なものであり、今回の東京での金メダル獲得のような"イデオロギー色"が強く発信されるものではありませんでした。


一部報道にもありましたが、香港の商業施設で今回のメダル獲得の映像が放映された際、メダルを手に取り誇らし気に胸を張る香港選手に対しては歓声を上げる市民ではありましたが、これが中国国歌斉唱の段になると場の雰囲気は一変、会場は大きなブーイングに包まれただけでなく、何とこのブーイングを呼びかけたと言う容疑をかけられた市民(40代男性)を警察が逮捕すると言う一幕もあったとか。


これは「国家安全維持法」に抵触する煽動行為と見做される範疇であり、また、国歌侮辱を理由として逮捕者が出たケースとしては初めてのものになります。言論の自由の"制限"と言うものを、またもこうした場で思い知らされる形となってしまった香港ではありますが、当日、ここに集まって、我が地域の英雄がスポーツ界での世界最高の栄誉(金メダル)を獲得した時に自然発生した掛け声"We are Hong Kong"と言うものが香港人のスピリット(精神)を如実に物語っています。


東京パラリンピックが残っていますが、これからの競技において香港選手の活躍と彼らのアイデンティティーの保持の姿勢については見守る必要があるでしょう。

この『スポーツの祭典』を政治色に染め上げる行為だけは、イデオロギーは抜きとして、せめてこの期間だけでも見せないような配慮を国に求めたいと思うのは、決して無理難題なことではないと感じるのは自然なことではないでしょうか。

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