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人材還流すら始まっていると言える香港市場の今とは?

更新日:2022年04月21日

物事とは必ず両面が存在するものです。


例えばそれは2月から勃発しているロシアvsウクライナの戦争の現象であったり、或いは(依然として)コロナ禍で苛まれる各国の経緯などであったり...決してそれらは大袈裟ではなく全てのことに"当てはまること"と定義しても良いかも知れません。

実際のところ、香港に関してもそうした考え方が当てはまるような事象がこの数年間に数多く発生しました。ひとつひとつに目を移すと多くの要因は中国からの"圧(あつ)"が根底にある訳ですが、その中でも特筆する事件と言うのは約2年前に導入した「香港国家安全維持法」からのものです。


この事件以来、香港発の情報と言うのはほぼ一斉にネガティブなものへと変化し、その為に多くの人々の目には『香港没落』のイメージがつきまとう事となっています。これらは情報を発信するメディア自身の"偏重報道"の姿勢であったり、政府自身が無神経に人権蹂躙と取られ兼ねない動きを強行してしまったゆえのものであったりするわけですが、稀にそんな情報の中には(逆の意味で)市場の現状をしっかりと映し出すものもあったりします。


今回ご案内することはBloomberg社が今年3月後半に出した記事に関する内容です。その記事の中で語られているものは、通常の視点から見ると全くの逆、つまり香港没落の象徴と取られている「人材流出」と言う動きの中に楔(くさび)を打ち込むような動きを紹介したことにあります。要約すると、この「人材流出」という大きなトレンドの中において、"留まる"と言う選択を行ったバンカーやデジタル産業界の技術者たちの現状についてのものです。


曰く、昨今の動きの"逆張り"とも言えるスタンスを取った彼等の人生は、かつて無かったほどのスピードとボリュームで好機が訪れていると言うのです。記事の中で掲載された現地のヘッドハンターへのインタビューによると、CCPの圧政やコロナ蔓延と言う状態となったことに寄る影響により、世界の他地域から"隔絶された"かのような状態となっている当地を見捨てず、尚も生活を継続することを選択した彼等達を巡って現在では激しい人材争奪戦が繰り広げられているとのことです。特に金融業界やデジタル資産関連と言った全産業の中でも先頭に位置するような業界ではそれは顕著であり、人数的には激減したと言われる(新規発行のビザ数が対2018年度ベースで約半数まで減少)ことが逆にこうした彼等へのチャンスへと繋がる形になったと言う訳です。


また,この中でも暗号資産(仮想通貨)を取り扱う分野では過当競争の状態が繰り広げられており、同分野は現在,香港の金融業界全体の新規採用数において既に10%以上を占有しているとのこと。またその好調さを裏付けるものとして暗号資産取引のプラットフォームを提供する会社などは、このほど市場からの大型調達を成し遂げることで企業価値が急上昇し、今では単体で3,700億円を超えるものとなってしまったとのことです。


こうしたトレンドは、"没落した"と考えられている香港市場にとって、同市場が近い将来、再び脚光を浴びるかも知れない可能性を示唆するものであると言えます。今後、こうしたトレンドに一体何を加味して行くのかが(今は)不透明な部分があるとは言え、次世代の"主流産業"となるかも知れない産業が、既にこうしたステージに存在することと言うのは香港にとって心強いファクターであるのは間違いありません。そして、それらを下支えする人材がまだこの地に相当数留まっていると言う事実も、上記の実現を後押しする要因の一つとして当てに出来るものでしょう。

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