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李家超の政権公約は一体香港に何を齎(もたら)すのか?

更新日:2022年07月08日

5月も末になる30日、北京にて中国の習近平国家主席は、香港政府トップの行政長官に新たに任命された李家超(John Lee) 氏と会談を行い「香港は混乱から統治と言う重大な転換を実現し、今まさに繁栄に向かう重要な時期にある」として、警察出身の李氏の手腕に期待を示しました。

中国国営の新華社通信によると、習近平国家主席は「(李氏は)国と香港を愛する立場を堅持し、国家の安全と香港の繁栄、また安全を守るために貢献してきた。中央政府としては全面的に同氏を信頼している」と述べたとの事です。

警察出身の李氏は、香港で政府に対する一連の抗議活動を厳しく抑え込んで民主派(及び一般市民)に対する締め付けを主導して来た実績を誇る"ガチガチ"の親中派であり、行政長官就任後は更なる統制が強まる?との懸念が囁れています。
李氏は香港が中国に返還されて25年の節目に当たる今年の7月1日に行政長官職に就任する予定で、習近平国家主席がその式典に出席するかどうかと言う点に置いても注目を集めています。

同氏は選挙における政治キャンペーンとしてマニフェスト(政権公約) を4つに渡る観点から挙げており、就任後はその達成に邁進する予定です。
ではその4つに分かれるマニフェストとは一体何なのでしょうか?

(1)政府ガバナンスの強化
(2)より多くの住宅、より多く良い生活の提供
(3)香港の競争力向上
(4)思いやりと包容力のある社会の構築と若年層の発展支援


(1)については李氏は殊更強く提唱しており、具体的には行政長官就任から100日以内に政府業務の明確な目標とKPI (重要業績評価指標)を設定するとしています。また、各地域の草の根組織と政府との関係を緊密化するほか、域内18区にボランティアネットワークを構築、地域行政の効率化や災害時の支援強化を図るとの事です。

(2)については、特に早々の対策と対応が必要とされている「住宅問題」への対応であり、公営住宅の入居待ち期間の短縮や民間を活用した公営住宅建築スキーム整備の加速化などを掲げています。

(3)はこれまで築き上げてきた香港の「国際金融センター」としての地位をより一層強固なものとし、更には「国際イノベーション・テクノロジーセンター」としての発展を目指し、国際科学研究都市として産官学各界の領域と地域を越えた協力関係構築を進めるとしています。また、香港と広東省・深セン市の印刷エリアに新たな都市を開発する「北部都会区」構想について、今後変更の発展のための"新エンジン"として位置付ける事で、構想実施の為の専門部署を設立する。

(4)については、市民の福祉が社会発展の鍵になるとして、医療や看護システムの改善、貧困家庭の児童支援や年長者の生活補助、また青少年への職業訓練や創業支援先の実施等を行うとしている。

以上、李氏の鼻息は荒いとは言えますが、果たしてその公約の内容の中には目新しいものあるのでしょうか?

実際に上述の項目の何れもが前政権でも取り組まれていたことばかりであり、これは見方を変えると新政権は単に(北京の描く)"新しい香港像"というものを継承したに過ぎないとも言えます。事実として選挙の結果に至る過程においても全ては中央政府の意図通り(?)に展開が行われてきたことを考えると、この新行政長官の役割と言うのはこれまで以上に"親中寄り"となるのは半ば致し方なしと言う解釈も成り立ちます。
唯一、強いコミットメントを感じられる下りというのは「100日以内」と言うタイムラインの設定であり、香港市民や国際社会は先ずはこの点から李氏が香港に齎す変化を見て行く形となるのが濃厚です。

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