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香港もいよいよお尻に火がついた?「ゼロ・コロナ」から「ウィズ・コロナ」へと政策変更を検討する背景

更新日:2022年10月21日

この3年間弱、香港の政策の根底に流れていた考え方と言うのは、常に親(=中国)を意識したものでありました。これは即ち、それまで構築していたアジアに於ける最先端の「国際金融都市」である地位をかなぐり捨てながらして従って来たことを意味する訳ですが、今後はどうやらその"不問律"に変化が生じて来ることになるかも知れません。

李家超(John Lee)行政長官が9月20日に語ったことによると、香港政府は現在、それまて敷いていたコロナ禍対策のひとつである「隔離規制」について調整の余地があるかどうかを"検討している"とのことです。現在まで香港では入境の際に到着後3日間はホテル隔離を行い、それに続いて4日間の(自宅等での)自主的な健康状態の観察を行うとしていましたが、これを7日間の健康状態観察だけにすると言う処置に変更する可能性を示唆したのです。


英国から中国への返還以後、香港の役割というのは世界・他の地域と中国を結ぶという「架け橋」の筈であったわけですが、ここに例の政治絡みの問題(デモ騒ぎ)が発端となり、続くコロナ発生後についてはどちらの方向についても"通行止め"になっていると言うものでありました。これを裏付けるデータは既に出ており、今年の1月から7月までの当地への訪問者数累計が、2019年の同時期に於けるものと比較すると実に99.7%も減少すると言う惨憺たるものとなってしまっていました。


こうした状況を憂慮していた政府は、経済的にメジャーなルートである本土と香港との間での「隔離なしの往来」を実施した訳ですが(理由:来訪者の8割が中国からであった為)、これも、より強い感染力をまとった新型コロナ変異株(オミクロン株)が、タイミング的に最悪の時期に訪れることによって敢えなく打ち砕かれる結果に陥ることになりました。

しかしながら、今や世界の多くの国や地域がコロナ禍に対する水際対策を(一定の条件付きではあれど)緩和や解除案を踏み切る決断をする中において、依然として親(中国)の敷く「ゼロ・コロナ」に拘って行くことは、香港そのものの地盤沈下を起こし兼ねない可能性を含むことなります。

事実、そもそもの香港のスタンスと言うのは、最高の国際ビジネス拠点の提供する地域として世界にその評価を確立して来た経緯があるので、これ以上、"重い足枷"を自らに課し続けて行くと言うことは、(シンガポールなどを筆頭とした)他のアジア諸国からの競争や挑戦に対して劣勢に立たされることを意味するに等しい訳です。


何れにしても、今年の第4四半期には何らかの新しい施策が香港に導入されることは、(ほぼ)間違いないのは事実でしょう。但し、その効果を実績として測る場合については施策導入後、ビジネスや金融面では早くて半年、そして(香港の基幹産業の一つである)「観光」については1年以上の経過観察が必要になると言う専門家も少なくはありません。


但し、もともと自力としては非常に優れた要素を多々持つ香港ではある為上記の予想以上のペースで元に居た場所まで戻れる確率は平等に見ても低くはありません。今、当地が向き合う事実と言うのは果たして中国の先兵として、「ゼロ・コロナ」から「ウィズ・コロナ」への舵取り役、つまり最初の"成功事例"となれるか否か?と言うことです。これが同時に他のアジア地域の国々に対する香港の自己主張となることは間違いありません。

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