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香港入港期間中、"注意を払って置いた方が良い"と思われることについて

更新日:2023年03月24日

ざっくりと言うと、近年の香港の情勢と言うものは(世界的なパンデミックの渦に巻き込まれたことを除くと)やはり"政治的な色に染めらてしまっていた"と言うのは否めません。そしてコロナ禍が世界的に峠(とおげ)を越し、ようやく本来の経済活動に戻れることになった今の段階において世間が注目することというのは、果たして香港が(コロナ前の状況と比較をして)"どれほどの変化して来ているのか?"と言うことに集約されていると言っても間違いではない筈です。


「必ず立ち直り、以前より良くなる」


先般、香港政府のトップである李家超(John Lee)行政長官は域内及び世界に向けて力強くこう宣言しました。そして、観光業界テコ入れの為、その皮切りとして海外からの訪問客等を呼び込むための手法の目玉の一つである無料航空券50万枚の配布をスタートしたのです。


こうした強い宣言を行政長官が自ら行う背景には以下に記述するような事情があると考えられています。


数字的な裏付けとして挙げると昨年(2022年)の香港への来訪者数は僅か60万人程度で着地しました。この数字はかつて"正常"であった時代(例:2018年の来訪者数は6500万人)の実に100分の1以下にまで冷え込んでしまったものであり、文字通り、観光業界は根底から冷え上がった状況が何年も続いていたのです。当Blogでも何度もご紹介して来たように、「観光」と言う産業セグメントは香港にとって金融や貿易と並んで非常に重要な産業のひとつです。


それが昨年末までの段階ではこの程度の規模までシュリンク(縮小)してしまった状況であり、この"負の遺産"をプラス化するタスクと言うのが、新政府にとって"最重要課題"のひとつとされて来ました。業界としてもこの状況が継続すると言うような状況はまさに死活問題であり、この李行政長官に呼応するかのように香港政府観光局(HKTB)も今後の香港を「かつてないほどの興奮を提供できる」と大袈裟に喧伝したのも分かろうものです。


しかしながら、当地を訪れる観光客にとっては新たに"開港する"香港が("大なり小なり"と言う表現ではありますが)中国の影響を受けて来ていたと言うことを念頭に置かれておくべきかも知れません。

事実として中国政府が厳格に敷いている「国家安全維持法」は香港の中枢部分に深く"突き刺さる"考え方となって数年が経過しました。この間、域内の自治は実質的に失われ、選挙制度も変わり、議員の立場やメンバーも変わり、また表現の自由も一定的範囲まで削られ、更には教育も一部メスが入れられると言った等々・・・

以前と同じように見える光景の中には今までなかった"カラー"が入り込んでいるのは否定出来ません。そしてこの「国安法」に対する用心が我々外国人にも必要であるのは、それが域内外の者(=つまり我々外国人)に対してまで「効力」や「影響」を与える可能性を含んでいると言う点です。


そうした点を留意した上で渡航をするのであれば、メンタル的な備えとしてはまさに万全と言えるでしょう。

そして、滞在期間中は特に政治的な見解を述べることについては極力控えることが重要です。上述のように、例え観光客と言えども当局の判断次第ではトラブルになる可能性は否定出来ず、故にこの点だけは良く肝に銘じておく必要があります。

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