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"アジアの盟主"の地位は健在と言えるか(?)香港の『競争力』に関する一流調査機関の評価とは。

更新日:2023年10月05日

ビジネスを実践する際、「市場環境」と言うものがとても重要な要素のひとつになることに異論を唱える者は居ないでしょう。例えば、自社の取扱う商材に対する市場の反応や消費力を下支えするその国の所得水準、また(企業の)手残りをより多くする際に大きなインパクトとなる効率的な税制及び各種優遇措置やインフラ、更にはその国でオペレーションする際にとても大切な要素となる人材の優秀さ等々...こうした各々の要素が複雑に絡み合い、それらを上手く有効利用することが出来る企業が(結果的には)勝ち残ると言うのは"自明の理"に値するものと言えます。

今回取り上げるテーマは、ひと言で言うと国(或いは都市)の『競争力』です。過去、当Blogでも毎年のように取り上げている定番のテーマのひとつではありますが、今年も各国の評価がスイス国際経営開発研究所(IMD)から発表されることになりました。この調査の基本的な考え方と言うのは、主として"如何にその国がビジネス(を行う上で好ましい)市場環境を提供しているのか?"と言うことであり、詳細化した各比較項目の中で定量評価を与え、その合計でより多くの得点を稼いだところが上位に来ると言う内容のものです。

今回(2023年)の結果は、総数で64ヶ国(地域含む)もの国がその対象として上がり順位が決定されました。そんな中で名誉ある第一位に輝いたのはデンマークです。同国はこれで2年連続の一位となり、以下アイルランド、スイスと言った欧州国がリストの最上位に名を連ねることになりました。他方、アジア勢で"最高位"を獲得した国は"香港のライバル"と称されるシンガポール(4位)、そこで気になる香港は(残念ながら)昨年から2つポジションダウンの7位にて着地する結果となっています。実際、この位置はアジア近国である台湾の6位にも後塵を拝する結果であり、ここは「国際金融センター」のプライドを掛けても来年に向けて捲土重来が期待されるのは間違い無いことでしょう。

では、この世界競争力ランキングの分析上の評価と言うのは具体的にはどのようなものなのでしょうか?この評価と言うのは次に挙げる4つの分野から成り立ちます。その分野とは「経済状況(国内経済、国際貿易、雇用、物価)」、「政府の効率性(財政、租税政策、制度的な枠組み、ビジネス上の法整備、社会的な枠組み)」、「ビジネスの効率性(生産性と効率性、労働市場、金融、経営プラクティス、取り組み具合と価値感)」、そして最後に「インフラ整備(基礎インフラ、技術インフラ、科学インフラ、健康と環境、教育)」と言うものです。

香港の評価は上述の中で「政府の効率性」で2年連続で世界2位を獲得、更に「インフラ整備」ではひとつポジションアップとなる13位とポジティブな結果を招き入れることになりましたが、新型コロナウィルス感染症対応について最後の最後で下手を打ったこともあり、「ビジネスの効率性」においては4つポジションダウンの11位、加えてこれに引きずられるように「経済状況」に於いては何と20以上のポジションダウンとなる36位(昨年は15位)となってしまいました。結果、これらが総合評価での足を引っ張るネガティブな原因となってしまったという訳です。

何れにしましても、今年の結果だけを見た場合は香港の"凋落"と捉える向きがあるのは確かですが、元来は常に香港は上位陣の一角であったと言うのも厳然たる事実であることを踏まえると、むしろこのリサーチから出た今年の評価は来年以降の"巻き返し"を実現する際の要点が得られたと言うメリットも含んではいます。

さて、来年の「競争力」の順位、貴方はどう予想しますか?

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