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"制度"を飲み込む"制度"?「最適解」をどのように香港と中国は出して行くつもりなのか?

更新日:2024年04月01日

中国が世界に打って出ることになった2001年12月のWTO加盟から約2年後、香港と中国の両政府は双方の経済活動をより一層促進させる為、『CEPA(香港・中国経済貿易緊密化協定)』と言う制度を新設させることに合意をしました。

実際の施行については細部調整期間を経た一年後である2005年の1月1日からのものになりましたが、これによって双方は、①財の貿易の自由化措置、②サービス貿易の自由化、③貿易・投資障壁の撤廃、の3分野で大きな規制緩和を享受することが出来るようになったのです。具体的には香港製品に対するゼロ関税の適用から始まり、中国サービス市場18業種への参入規制の緩和(香港企業対象)、更には中国から香港への個人旅行自由化等々...それまで"障壁"となっていた分野を段階的に開放して行くことで相乗作用に勢いをつけ、経済成長を確実にする為の道筋がこの時点で構築されました。

事実、こうした"計い"によって交流は一層盛んになり、CEPAは一定の成果を挙げる形にまで成長をして行った訳ですが、2017年に入るとその意味合いが曖昧になって来るような"ある出来事"が発生することで今後の成り行きが注目されることになっています。


この"ある出来事"と言うのは(現在でも最高指導者である)習近平氏が指揮を採る国家プロジェクト、『一帯一路』が正式に始動し、このCEPAそのものを飲み込むような形になったからです。"現代のシルクロード構築"をスローガンとして掲げるこの大型プロジェクトはCEPAを掲げる香港だけを例外とさせることは許されず、問答無用に「大湾区」と言う括りの中での以下の役割を与えられることになります。


1.金融ハブとしての役割
香港は世界的な国際金融センターとしての地位を持ち、一帯一路プロジェクトに置いてもこの"金融ハブ"だけが創出出来るような巨額の「資金調達面」や「投資面」についての役割を担うよう中央から指示されています。勿論、この分野は香港の専売特許的なものであるのは明らかであり、人材的にもノウハウ面、またテクノロジー面でも中国国内では随一のものがあることを否定することは出来ません。


2.法的・商業上の枢軸
香港は中国と国際社会との間で法的・商業的な枢軸として機能しており、一帯一路プロジェクトにおける契約や取引に関する法的サポートや専門知識のアドバイスを行う役割があります。これはプロジェクトの性質上、多国間に跨るやりとりが発生する為、まさに"心臓部"的な局面を含んでいると言えます。


3.国際化とコミュニケーション
香港は中国国内の多くの人材と違い、かなりの数の者が多言語を話す環境が整備されている国際都市のひとつです。従って中国と国際社会の間でのコミュニケーションが発生する際は、こうした面でそつがない対応をすることに長けており、実質的に国際間での交流の"窓口"としての役割を担うことを期待されており、様々な面で大きな責任を一任されていると言えます。


4.インフラ&物流支援
香港は常に世界貿易の中心のひとつとして考えられているテリトリーであり、非常に優れたインフラを持つことで長い間、アジアにおける物流量や通商上における重要な拠点として機能して来ました。一帯一路プロジェクトに於いてもこうした側面でのサポートは必須事項のひとつと認識されており、ここを起点として(一帯一路ではカバーし切れない)日本や米国と言ったテリトリーでの一層の躍進を期待されています。


次回は上述の特徴を加味した上でCEPAと一帯一路の連動性を考察し、未来の道筋をどのようにつけて行くのか?と言う点についてご案内することにします。

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"制度"を飲み込む"制度"?「最適解」をどのように香港と中国は出して行くつもりなのか?

更新日:2024年04月01日

中国が世界に打って出ることになった2001年12月のWTO加盟から約2年後、香港と中国の両政府は双方の経済活動をより一層促進させる為、『CEPA(香港・中国経済貿易緊密化協定)』と言う制度を新設させることに合意をしました。

実際の施行については細部調整期間を経た一年後である2005年の1月1日からのものになりましたが、これによって双方は、①財の貿易の自由化措置、②サービス貿易の自由化、③貿易・投資障壁の撤廃、の3分野で大きな規制緩和を享受することが出来るようになったのです。具体的には香港製品に対するゼロ関税の適用から始まり、中国サービス市場18業種への参入規制の緩和(香港企業対象)、更には中国から香港への個人旅行自由化等々...それまで"障壁"となっていた分野を段階的に開放して行くことで相乗作用に勢いをつけ、経済成長を確実にする為の道筋がこの時点で構築されました。

事実、こうした"計い"によって交流は一層盛んになり、CEPAは一定の成果を挙げる形にまで成長をして行った訳ですが、2017年に入るとその意味合いが曖昧になって来るような"ある出来事"が発生することで今後の成り行きが注目されることになっています。


この"ある出来事"と言うのは(現在でも最高指導者である)習近平氏が指揮を採る国家プロジェクト、『一帯一路』が正式に始動し、このCEPAそのものを飲み込むような形になったからです。"現代のシルクロード構築"をスローガンとして掲げるこの大型プロジェクトはCEPAを掲げる香港だけを例外とさせることは許されず、問答無用に「大湾区」と言う括りの中での以下の役割を与えられることになります。


1.金融ハブとしての役割
香港は世界的な国際金融センターとしての地位を持ち、一帯一路プロジェクトに置いてもこの"金融ハブ"だけが創出出来るような巨額の「資金調達面」や「投資面」についての役割を担うよう中央から指示されています。勿論、この分野は香港の専売特許的なものであるのは明らかであり、人材的にもノウハウ面、またテクノロジー面でも中国国内では随一のものがあることを否定することは出来ません。


2.法的・商業上の枢軸
香港は中国と国際社会との間で法的・商業的な枢軸として機能しており、一帯一路プロジェクトにおける契約や取引に関する法的サポートや専門知識のアドバイスを行う役割があります。これはプロジェクトの性質上、多国間に跨るやりとりが発生する為、まさに"心臓部"的な局面を含んでいると言えます。


3.国際化とコミュニケーション
香港は中国国内の多くの人材と違い、かなりの数の者が多言語を話す環境が整備されている国際都市のひとつです。従って中国と国際社会の間でのコミュニケーションが発生する際は、こうした面でそつがない対応をすることに長けており、実質的に国際間での交流の"窓口"としての役割を担うことを期待されており、様々な面で大きな責任を一任されていると言えます。


4.インフラ&物流支援
香港は常に世界貿易の中心のひとつとして考えられているテリトリーであり、非常に優れたインフラを持つことで長い間、アジアにおける物流量や通商上における重要な拠点として機能して来ました。一帯一路プロジェクトに於いてもこうした側面でのサポートは必須事項のひとつと認識されており、ここを起点として(一帯一路ではカバーし切れない)日本や米国と言ったテリトリーでの一層の躍進を期待されています。


次回は上述の特徴を加味した上でCEPAと一帯一路の連動性を考察し、未来の道筋をどのようにつけて行くのか?と言う点についてご案内することにします。

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