【マイナンバー(2)海外居住者取扱いと個人番号カード】
◆海外居住者の取扱いについて
マイナンバー制度施行となると、その対象となられる可能性のある方々は国内だけでなく海外にもいらっしゃる事になります。その中には海外赴任者の方々もいらっしゃるでしょうし、或いはその国で長期的(或いは半永久的に)居住される方々もいらっしゃるでしょう。
では、そうした場合の取扱いと言うのは一体どうなるのでしょうか?
(実務的な視点から単刀直入に申し上げますと)海外に居住し、日本国内に住民登録がない日本人はこのマイナンバーに付番される事はありません。
但し日本での年金を受ける資格を有される方々のようなケースは少々事情が異なって参ります。
何故なら年金機構ではこのマイナンバーのほか、個々人の年金番号を併せて同時に管理するからであり、そうなると当然の事ながら受給資格を査定すると言う目的でマイナンバーが付番され、個人のデータを取られて行く形になります。
◆個人番号カードについて
来年1月以降、いよいよマイナンバー(”個人番号”とも言います)が記載された個人番号カードの交付が始まります。この個人番号カードは、写真入りのICカードとなり、その表面に氏名、住所、生年月日、写真、有効期限、サインが記載され、裏面に個人番号等が記載されています。
民間事業者は、個人番号カードにより本人確認を行うことはでき、表面のコピーを取ることもできますが、裏面をコピーすることや個人番号をメモ書きすることは、税務関係業務、社会福祉業務、災害対策業務の目的以外については禁止されています。
つまり現在(マイナンバー制度施行前)ですと、本人確認をする際に免許証を提示したりすると(免許書の)番号を控えられてしまいますが、個人番号カードの場合には、個人番号自体をメモすることは禁止されていますので、表面のコピーのみということになるのです。
このようなことから見ると、もしかしたら”本人確認書類”と言う部分においては、この個人番号カードが導入された後の状況よりも、現在の免許証やパスポートでの確認方法の方が、より単純で適切であると言えるでしょう。
簡単にする為のシステムが、(機能を拡充を先走るばかりに)却って複雑になると言う典型事例かも知れませんね。
■あわせて読みたい■
【マイナンバー(1)その種類と影響】はこちら
関連記事
-
本社と海外子会社の間にある“溝”
昨今、『海外進出』の際の問題点の中には海外子会社に於ける危機管理対応があります。 …
-
2019年12月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
平成31年度の税制改正概要について-1
毎年の恒例行事でもありますが、昨年の12月、与党による次年度(平成31年)の税制 …
-
通常の法人税と移転価格、その「調査」の違いとは?
「移転価格」と言うものは英語でTransfer Pricingと言い、企業相手の …
-
【 世界消費税ランキング 】
日本も消費税が5%から8%へと上昇し、そして2017年4月にはとうとう大台の10 …
-
今後起こってくる税制改正の論点
先の衆議院選挙は「希望の党」などの台頭が期待されるなど新興勢力の勢いの影響で自公 …
-
何かと面倒な、海外税務の対応について
毎年日本では税制大綱なるものが年末に掛けて大枠を決定し、年明けに正式発表、そして …
-
タックスヘイブン地域にない海外子会社にタックスヘイブン対策税制が適用されてしまったら
「タックスヘイブン対策税制」が該当される際にはその定義として税率が①20%未満の …
-
【コーヒーブレイク】 今年に導入が予定されている「消費税増税」について
消費税の増税がいよいよ今年実行される予定です。もともとの政府計画では本来、既に8 …
-
”タワマン節税”にも税務局の手が!?
タワーマンション節税は完璧な節税方法だったのか? 相続税に対してタワーマンション …
- PREV
- 【マイナンバー(1)その種類と影響】
- NEXT
- 【消費増税8%⇒10%の導入時期、正式決定】