今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑦~香港における監査意見について
よく聞かれる質問のひとつに日本における監査意見との違いがあります。何故このようなことを提起するのかと申し上げると、香港では限定付適正意見が付けられるケースが珍しくないからです。
日本では、監査を受ける対象となるのが基本的に上場企業となりますので、一旦、『限定意見付き』などとなると、会社が発表する財務諸表が公正な財政状態と経営成績を表示していないなどという意味合いで、株主や取引先への印象が相当悪くなると解釈されております。
限定意見によるリスク(デメリット)は、実際に監査プロセスに入っている中に於いて、どの部分の監査が詳細に実施できなかったかによってその印象や影響も異なっていると言えるでしょう。
一例としては、連結財務諸表を作成しなかったことによって付されるような限定意見であれば、一般的に融資やその他営業取引において、会社にとって悪影響となる可能性は低いと考えられますし、また逆に会社に影響を及ぼす可能性がある限定意見とは、業務取引等に関連する売上・仕入債権の実在性について証明できなかった場合に表明されるケースなどです。
従いまして、監査意見がついたからと言ってもその内容を確りと把握する事によってその影響の強弱は判断されるべきであり、こうした部分では日本側の株主様の理解の幅を広げる必要はあるかも知れません。
■あわせて読みたい■
今更聞けない香港のビジネス基礎事項①
今更聞けない香港のビジネス基礎事項②
今更聞けない香港のビジネス基礎事項③
今更聞けない香港のビジネス基礎事項④
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑤
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑥
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑧
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑨
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
海外法人設立個別相談会(無料) 東京銀座にて開催いたします
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
-
香港の持つ“メリット“について考える<2022年/2023年編>
香港と言う地域を最大限活用するには当地の持つ機能を調べ上げ、自社の進出形態と照ら …
-
-
海外子会社の経営管理をサポートする際の移転価格上の判断について
経営管理サポートを海外子会社に対して提供する場合の注意点と言うものは何でしょうか …
-
-
香港:来年度財政予算発表と顕在化して来た課題とは?
今年の2月22日、香港の財政長官である陳茂波(Paul Chan)氏は香港の20 …
-
-
香港の最新税制に関する概要の纏め
日本の元号も5月1日から「令和」になり、日本はこの“特需”を利用してマーケットに …
-
-
いよいよ本格化(再開)する日本から香港へのビジネス進出
ここ数年、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本と香港のビジネスは非常に厳し …
-
-
【 誤解?無理解?私募債とタックスヘイブン対策税制《事例紹介》 】
香港や中国、シンガポールなどで海外ビジネスを推進されている方々の中には『タックス …
-
-
香港、史上初のロックダウン導入
欧米各国では新型コロナの再拡大を受けて様々な国で「ロックダウン」が実施されていま …
-
-
オンラインセミナー 開催のお知らせ 香港法人ビジネス活用術<香港法人編>
みなさん、こんにちは。CCM香港スタッフです。 5月23日(火)に開催する、香港 …
-
-
家族帯同か否か?海外駐在に於ける会社方針について
海外駐在員を送り出す際に会社側として考えることの中の1つと言うのは、駐在者が仮に …