中国での個人所得税
中国に赴任になる方々が注意しなくてはならないことの中のもうひとつは、中国に於ける個人所得に対する税金です。
以下はその特徴をまとめたものですのでご一読下さい。
1)中国に於ける個人所得は地方税に該当します。
日本ではこの個人所得の括りと言うのが『国税』になる訳ですが、中国では『地方税』として取り扱われます。ただし、日本はこの『国税』に対して更に『地方税』たる住民税が加算されます(=2段階課税)が中国ではそれに該当するものはありません。
2)個人所得税は分離課税方式を採用します。
日本では基本的に個人が稼いだ全ての所得を合算して課税しますが、中国では給与所得なら給与所得、役員報酬なら役員報酬と言った形で別々に課税して行きます。
3)税率は7段階となり、3%〜45%の範囲で課税されます。
日本の所得税率は5%〜40%の6段階であるところが、中国では3%〜45%、7段階と、より細分化されています。従って日本と比べても中国は”重税国”であると言えるでしょう。
4)非課税扱いとなる所得
日本ではその対象となる所得は旅費や交通費等一部のものに限られていますが、中国ではその適用範囲が日本と比べても広範です。外国人に対しての食事手当、住宅手当、子女教育手当などはその対象の余地ありとして取り扱われます。
5)所得控除の種類
中国で働く外国人の所得控除の額は一律4,800元(基礎控除3,500元、外国籍個人控除1,300元)であり、日本のように家族構成や支払い保険料の金額などの応じた所得控除はありません。
6)外国税額控除の適用の有無
日本では二重課税防止のための制度が整っているだけでなく、実際に一定条件を満たせばこれを上手に使用・申請する事が出来ますが、中国で外国税額控除を受けさせるのは(実務レベル)としては難しいと言われております。従ってこれは”形骸化されている制度”のひとつと言えるかも知れません。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
【 世界消費税ランキング 】
日本も消費税が5%から8%へと上昇し、そして2017年4月にはとうとう大台の10 …
-
-
2017年訪日外国人の動向
毎年、日本には沢山の観光客やビジネスマン達が訪れます。主としてアジアからの来客が …
-
-
香港の「現状」と金融大手が見ている「未来」
日本のメディアなどの報道に洗脳されると実態を見誤ることは多々あります。昨年の米国 …
-
-
給与あるところにはやはり「課税」?出向者に関する事前の忘備録
既に今までも何度かに渡って海外課税に関する議題を取り上げて来ました。しかしながら …
-
-
2019年12月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
-
統括機能を装備する企業にとっての香港とシンガポールの異なる点
世の人達にとって「香港」と「シンガポール」は常に比較される対象として存在をしてい …
-
-
【 出国税(海外移住税)についての考察② 】
【🔶出国税の申告納税の時期と時価の算定時期】 出国税の申告納税の …
-
-
香港とシンガポール、似て非なる兄弟?それとも双子?
仮に、アジアに於けるオフショア市場をリードする国(地域)を“挙げて見なさい”と言 …
-
-
【 海外一流大学への”パスポート”たる国際バカロレアとは? 】
富裕層や起業家の方々を問わず、香港やシンガポールなど海外に移住をして来た日本人の …
-
-
2018年4月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
- PREV
- 財務諸表でよく見られる中国企業共通の問題点
- NEXT
- 中国の会計年度と"予定納税"と言う概念
