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トラブル事例 

偽メールを利用した香港への送金依頼詐欺の分析

更新日:2019年04月12日

偽メールを利用した香港への送金依頼詐欺に対して日系企業が取るべき対策
偽メールを利用した香港への送金依頼詐欺ー被害内容の詳細
偽メールを利用した香港への送金依頼詐欺の分析


今回発生した、偽メールを利用した香港への送金依頼詐欺ですが、これはいわゆる「振り込め詐欺」に似通ったケースであるが、被害にあったのが一個人や事情に通じていない老人ではなく、海外と取引をしている企業である、という点で一般的な「振り込め詐欺」とは異ります。

詐欺グループの犯行手段やこういった詐欺メールのリテラシーに通じていない個人や老人ではなく、何度も海外との取引をしている企業担当者が詐欺メールに気づかずすっかり騙されてしまった、という点が特徴であり、また非常に警戒をしなければならない点であります。

技術的な観点から言うと、メールソフトの画面上メールの送信元が真正アドレス「zhang@xxxxx.com.tw」であると表示されながら、これに返信した場合、返信メールはそれと異なる偽アドレス「zhang-xxxxx.tw@mail.com」に返信されてしまう、という技術的な細工が施されており、そのため担当者は偽物の相手方とメールでやり取りしていることに全く気付くことができませんでした。

一般の企業担当者の中でもこのような詐欺の技術があることを理解・認識している者はいまだ稀であると思われます。いわゆる迷惑メールやスパムメールのような、明らかに怪しい送信先からのメールであれば担当者レベルで気づくことは可能でありますが、実在する取引の相手方担当者を装って、しかもそのメールアドレスから発信されたものと表示されているとすると、これを即時に詐欺メールであると気付くことは、非常に難しいです。

さらにいうと、本件の犯行グループは、B社の真正インボイスのイメージをすべてトレースして、送金先口座情報だけを変更した偽インボイスをA社担当者宛、偽メールを通じて送っている。とすると、インボイスイメージも精巧にトレースして作り直す技術もあるようです。

これらの技術的な洗練度が、本件で被害企業が増えている原因であるといえます。しかも、そのような洗練された技術を使った詐欺が行われていることは、国内外を問わず、日系企業の間でいまだ十分に認識されていないといえます。

このような詐欺の被害を今後増やさないために、対症療法的ではありますが、まずできることとしては日系企業にこのような類型の詐欺がはびこっており、実際に被害を受ける企業が散見される、という事実を広く知ってもらうことが重要です。

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