CCM香港 スタッフブログ|香港法人、オフショア法人を設立・仮想通貨の活用するための最新情報

今更聞けない香港ビジネス基礎事項① ~会社秘書役とは?~

香港で法人を設立する際、日本の方々が一様に戸惑われる事のひとつに『会社秘書役(Company Secretary)』と言う業務サービスがあります。

提供されるサービス内容は、国内の方々にとっても目新しいものではございませんが、その業務サービスの”位置付け”に関しては香港と日本の認識は相当”乖離している”と言わざるを得ません。

では香港で言う、この秘書業務の役割とは一体どのようなものなのでしょうか?

それを簡潔に申し上げると、この『会社秘書役』と言うものは、香港の会社法で”義務付けられている”ひとつの制度だと言う事です。

即ち、香港で設立された法人の全ては、この秘書役を担う業者の選定を設立と同時に行わなくてはならないと言う事なのです。

では、選定された会社秘書役業務を行う業者は一体何を行うのでしょうか?

その業務をご案内すると、おおよそ以下の通りになります。

-年次報告書(Annual Return)の作成及び当局への提出
-年次株主総会決議書の作成
-登録住所変更届に関する書類作成及び会社登記署への提出
-お客様の会社書類の認証謄本(Certified True Copy)発行
-定期的及び不定時の決議書作成
-会社法定記録簿の記録更新
-会社登記署からの書信への受け答え
-商業登記に関わる事項代行
-銀行口座開設或いはサイン権者変更に関わる決議書の作成
-会社社名変更手続
-増資減資手続
-取締役変更手続
-株式譲渡手続  …等々

このように、設立から事業運営の際に起こって来る様々な会社の
変更事項を書類として作成し、当局へ申告するという役目を負う
会社秘書役。

これを敢えて”制度化”しているあたりに、香港ならではの独自性が感じられますね。

■あわせて読みたい■
今更聞けない香港のビジネス基礎事項②
今更聞けない香港のビジネス基礎事項③
今更聞けない香港のビジネス基礎事項④
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑤
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑥
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑦
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑧
今更聞けない香港のビジネス基礎事項⑨

 - お役立ち情報, 会計監査, 法人秘書役, 監査, 香港法人

  関連記事

no image
香港のAI発展事情とそれらに中心的に関わる企業・団体とは?

最先端のビジネスを語る時、テクノロジーの発展について広範な情報の領域をカバーし、 …

no image
それでも引っ掛かる「移転価格税制」について

海外との取引で一番注意しなくてはならない税制と言うのは、やはり「移転価格」と言う …

no image
米中対立の展開の“鍵“を握ることになる香港

「中国国家安全法」が全人代で承認されてからと言うもの、香港を取り巻く状況と言うの …

no image
香港人にとっての「日本」とは、如何なる存在なのか?

香港では「日本」が“溢れている”と言っても過言では無いでしょう。街を歩けばそれこ …

no image
香港法人税、ついに一桁台に!

とうとうと言うか、遂に香港が法人税率一桁台の領域に踏み出す決心をしました。去る2 …

no image
香港ビジネスの効率的なスタートアップを行なう為には?

前回の記事でも触れさせて頂いた香港での起業ですが、日本のそれと比較した場合でも決 …

no image
海外進出日系企業が抱える資金面・事業面での課題とリスク

企業の海外進出に於けるその「目的」は、つい10年ほど前まで支配的概念であった「現 …

banner_meeting
次回の海外法人設立個別相談会(無料)は、2017年1月開催予定です。

みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …

no image
香港ビジネスインフラについて

最近の香港の時事問題と言うのはどうしてもパンデミックの話であるとか国家安全維持法 …

no image
宗主国派と旧宗主国派、“2極に分かれる“香港

2020年の「香港国家安全維持法」の施行から既に1年以上が経過することになりまし …