【 PE認定課税に於ける判定ー事例 】
香港やシンガポールなどに海外法人設立を行いますと、その税率から移転価格の問題やタックスヘイブンの問題が集中しますが、今回は事例としてPE(恒久的施設)認定課税に関するものをご紹介させて頂きます。
《事例》
米国在住の日本人がインターネットを通じて自動車用品を日本国内に販売し、米国から日本に対して輸出を行う事業を営む。
その具体的なマーケティングの方法は自身でHPを設営してこれをベースとして日本国内の顧客からの注文を受け、代金の決済を持って日本国内の保管先(賃借したアパートと倉庫)から配送すると言う形となる。
また注文を受けた後の梱包と発送、或いは返品対応は全て国内で雇用した従業員が対応する。
尚、ここはあくまで”保管倉庫”と言う位置付けなので支店などには該当しないと考えており、従って日本で税金は支払っていない。
《判決》
PE認定課税が適用
《理由》
1)保管場所(賃貸アパート&倉庫)で商品の保管、こんっぽう、発送、返品受取などの、いわゆる「通信販売」上、重要な業務を行っていた。
2)この保管場所がHP上に企業の「所在地」及び「連絡先」、「返品先」として掲載されていた。
3)上記の1)と2)を鑑みると日米租税条約上、PEから適用除外とされる単なる「保管場所」の領域と解釈するには無理があり、むしろこれは列記とした支店業務寄りの範疇に入るのが妥当。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
『野原邦彦 ステキな時間』の入場券プレゼント企画!!
木彫界のファンタジスタ 野原邦彦 ステキな時間 上野の森美術館で2017年12月 …
-
-
海外子会社に特許権などを使用させる際の注意点
2000年前後を機として日本企業の多くはその生産の拠点を中国に求めたことは周知の …
-
-
それでも引っ掛かる「移転価格税制」について
海外との取引で一番注意しなくてはならない税制と言うのは、やはり「移転価格」と言う …
-
-
【マイナンバー(1)その種類と影響】
既に何度も取り上げているテーマですが、今回から2回に渡って改めてマイナンバー制度 …
-
-
駐在者が知るべき税務用語
海外子会社に駐在となる方々にとってその赴任先は様々です。 古くはその主流であった …
-
-
香港飲食業界への進出について
香港人の一般的なライフスタイルの中では「外食」と言う習慣は切っても切り離せないも …
-
-
2018年1月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
-
【中国ワンポイント- 駐在員の所得無申告に関するペナルティー】
海外進出をされている会社様の駐在員は、多くのケースにおいて日本国内の給与と現地で …
-
-
【マイナンバー(2)海外居住者取扱いと個人番号カード】
◆海外居住者の取扱いについて マイナンバー制度施行となると、その対象となられる可 …
-
-
移転価格(Transfer Pricing)文章を作成する事とは?
上場企業などの一定のビジネス規模を持ち、且つ海外展開を行なっている企業様において …