香港に於ける会社清算の種類
香港は市場経済においてレッセフェール(laissez-faire=自由放任主義)という概念が根底にあります。
法人設立や課税体系が簡単且つ低廉であったりするのは、より激しい競争を促進する為の環境作りであり、こうした事が国際的にも香港を高評価に留まらせている大きな要因になっていると言えます。しかしながら、競争をすれば勝者以上に敗者がいるのはどこの世界でも一緒。あえなく戦いに敗れ、結果として撤退を余儀なくされる事も経営の立場にいらっしゃる方々は頭に入れておく必要があります。
会社は事業の存続を諦める時、その事業の清算手続を行わなくてはなりません。香港会社法では会社清算には以下に挙げる2つの方法がございます。
1. 株主或いは債権者による任意清算
2. 裁判所による強制清算
1の任意清算は一般的な会社清算の方法であり、全ての負債を12ヶ月以内に返済が出来る事を取締役が確認・承認した上で開始する清算方法です。
2の強制清算は債権を持つ債権者が予定されていた支払を受けられなかった場合に裁判所に申し立て(清算嘆願書)を行い、裁判所がこの申し立てを適当であると判断した場合に採用される清算方法です。
上記の何かによって会社の清算作業が行われ、最終的に,以下の条件を満たす事で登記の抹消手続が完了します。
登記抹消手続の申請条件:
a.会社が全株主の登録抹消に同意している。
b.会社は設立後、全くビジネスを開始していない、又はビジネスを停止してから3ヶ月以上経過している。
c.会社には、一切の負債がない。
↓ブログ村参加してます。応援よろしくお願いします!↓
関連記事
-
-
中国の個人所得税改正が与える駐在者へのインパクト
海外課税を巡る話になると決まって出て来るような単語(或いは話題)と言うのは居住・ …
-
-
宗主国派と旧宗主国派、“2極に分かれる“香港
2020年の「香港国家安全維持法」の施行から既に1年以上が経過することになりまし …
-
-
【コーヒーブレイク】 日産を襲った衝撃、カルロス・ゴーンの逮捕劇についてー1
11月19日、既に世間一般でも周知の通り、日産自動車の会長であるカルロス・ゴーン …
-
-
“先回りする“香港のWeb3.0時代を法律がどう捌くのか?
Web3.0時代の到来禍間近と言われる中、同時代を象徴する技術である「NFT」や …
-
-
日本の「ワクチン検査パッケージ制度」に香港のワクチン接種は有効か?
昨今では、日本のみならずアジア諸国を中心として新型コロナウィルス感染症に対する対 …
-
-
香港で自己株式を買い受ける際に注意するべき課税関係の話
海外進出に関するスタイルは様々です。例えばそれは100%自己出資で一から海外事業 …
-
-
【コーヒーブレイク】歴史から見て行く香港と言う地域について-2
今回も前回から引き続き“コーヒーブレイク”と言うことで香港の歴史について触れて行 …
-
-
2018年4月の法人設立個別相談会のお知らせ
みなさま、こんにちは。CCM香港スタッフです。 CCM香港では定期的に香港法人設 …
-
-
香港セブンズ2025が開催!開催を記念してセブンズグッズをプレゼント!
3月28日~30日の3日間、香港に今年できたばかりの啓德體育園(Kai Tak …
-
-
国際金融都市で起こる動乱
ひょっとしたら今回の「逃亡犯条例」の改正案が可決されてしまうことで香港が香港とし …
